第10回勉強会を開催しました

江草典政先生より勉強会の時に挙がった質問の回答を頂いております。

 

1. メンタルローテーション課題において何分実施したらいい、どのくらいこなす必要があるかなど、あれば教えてください

⇒回数や強度で検証された情報を持っていませんので、明確な方法はお答え出来ません。

反応速度などの標準値については、原法にまとまっていますので資料をご確認下さ

い。

http://www.gradedmotorimagery.com/left-right-discrimination.html

 

私の場合は、Applicationを使って、50枚の写真での識別課題を1回2set実施しています。アプリの購入に理解の得られる方は、症状の増悪が無い限り、ホームエクササイズとして毎日実施しています。反応速度が改善すれば、そのまま実施しますし改善しなければ量を増やしているのが実情です。

 

2. 足型の写真を使用した、視覚イメージを問う課題の難易度調整はどのようにしますか?

⇒あの課題については、私独自の方法でもあったため紹介に留めました。難易度は学習の観点から8割程度の正解率になるように大きさを調整していました。

 

3. 連続写真の時のこちらの答え?はどんな事を用意していますか?具体例を知りたいです

⇒質問にある「こちらの答え」というものが何を意味しているのか理解することができませんでしたが、以下の様な課題が設定できます。

①連続写真の並べ替え

 ⇒トランプを切るように並べ替えたものを正しい並びに変えて貰う方法です。これについては「並べられたか、そうでなかったか、どの程度時間がかかったか」が答えとなります。 

  ②連続写真から任意の1枚を取り出した状態で、「この写真はどこに入りますか?」と尋ねる課題

   ⇒歩行の連続性の中で視覚分析を行って、挿入箇所を答える課題です。これも正しい位置に挿入できたか、できなかったのな

     ら何故間違えたのかが答えとなります。

 

  ③連続写真の一部を並べ替えて、間違いを探索する課題

   ⇒意図は②と同じです。

 

  ④写真の姿勢を観察して体性感覚を予期する課題

   ⇒ここの部分での【答え】を質問されているのかも知れないなと推測しました。

 

    これについては、連続写真である必要はなく【運動観察課題】と捉えて頂くと良いと思います。

    この部分の答えについては、相手が認識している感覚を正確に知り得ることは不可能ですので、運動学的・解剖学的な標準

    歩行で感じ取れうる内容が答えとなろうかと思います。

    患者さんの対側が健常な場合は、対側との比較がヒントになる場合も多いでしょう。

 

4. 脳卒中片麻痺患者さんの手の浮腫も、CRPSと同じようなものが原因であることはありますか?つまり介入方法も同様な場合もありますか??

⇒手の「浮腫」と捉えるとCRPSと同様の理由だけとは考えにくいと思います。手の「痛み」の部分、すなわちCPSPだとするとCRPSと病態はよく似ており、現在は一次求心性繊維の過度な興奮や、痛みの上位・下位中枢の神経系の回路の変調であると考えられています。脳卒中後疼痛にどの程度CRPSと同様の治療法が貢献するかどうかは私も知識が不足していますので、これ以上はお答えができません。

   

5. 脳活動を見れば内側系、外側系どちらが強く働いているかわかりますか?

⇒脳活動(fMRI)を参照すれば、内側系・外側系の活動を確認する事が可能です。ただ、脳内の活性の程度と痛みの強度の認識については、関連があるかどうかはまだハッキリ分かっていません。

 (沢山活性化しているから、凄く痛い、などの関連性は不明です)VASやNRSとの組み合わせで評価されることが通常です。